相談者が被害者であるとは限らない

相談者が被害者であるとは限らない

被害者を装うモンスタークレーマー


企業や店舗などに理不尽な要求を繰り返す顧客によるトラブルが社会問題化している。いわゆるクレーマーというやつだ。コンビニやファミレスの定員に土下座を強要し、インターネットに動画を流して逮捕されるクレーマーの事件は記憶に新しい。

サービスを提供する側に不備があれば、顧客が間違いや欠点を正すのは当然の行為である。しかし、それに乗じて不当な要求を迫れば、ゆすりたかりに他ならない。「お客様は神様です」という言葉は今や死語に成りつつある。




「利を思わば義を思え」とは昔の偉い人の言葉である。真の損得は義に適ったことで得るものであるという教えだ。

嘗ての日本人は、「和を以って尊しと為す」を重んじ、この「義」と「和」を兼ね備えた国民性であったから、お互いの意見を尊重し、謙虚に話し合い、些細なトラブルを丸く収めていた。

昨今は、欧米流の個人主義が浸透し、個人が自己権益を守ることに留まらず、自己有益の獲得に躍起となり、相手の不備を逆手に取って不当な利益を得ようとする邪な考えが横行している。

例えば、大事に至らない交通事故で、被害者の悲痛な叫びよりも「オカマをほられたよ。ラッキーだ。これでしばらく遊んで暮らせるよ」という声を耳にしたことがあるだろう。このような邪な考えが、当然の権利であるかのように蔓延っている。

本来クレームとは、自身の被った不利益や損害を説明して、その損害に対して責任のある相手に、損害の補償を要求することだ。ところが、経済成長を遂げて力を付けた企業などが、横柄となって消費者を軽視するように成ったり、詐欺まがいの悪質業者が増加したりしたことで、「消費者は弱者である」とする風潮が強まった。そこで消費者の救済を目的とする様々な相談センターが設置されるに至ったのだ。その結果、弱者であった筈の消費者が強い立場でものを言えるようになったわけだ。

ところが、過剰な消費者保護によって、この立場を逆手にとって些細なことから無理難題を要求する悪いクレーマーを生じさせてしまった。

こうなると、必ずしも消費者が被害者であるとは限らない。購入したものやサービスに、たまたま不備や欠陥があったからクレームを言っているとは限らないということだ。故意に些細な欠陥や不備を見つけて購入する者や、意図的に被害を捏造する者もいるかもしれない。

だから当紙は近年、被害者は被害を訴えている者であるという固定観念を改め、寄せられた情報を様々な角度から読み取り慎重に精査をしている。

このクレーマーの問題で、当紙に寄せられている情報の中に、美容医療の被害トラブルがある。顔のタルミやシワを除去するといった美容整形手術に関するものだ。昨今トラブルが急増していることから、国民生活センターが二月二十七日付で注意を呼び掛けたばかりである。

注意喚起の基は全国の消費生活センターに寄せられた被害相談によるものである。その相談者の多くは、広告に載せられた美容のための千円程度の注射を受けようと受診し、その場で高額な施術を持ちかけられたというものだ。また「今日なら半額にする」などと言われ、その日のうちの決断を迫られたケースもあったという。中には三年ほど効果が持続すると言われたのに一週間で効果を失ったという人もいるそうだ。

この件は、NHKの朝のニュースでも取り上げられていた。調査に当たった東京都消費生活総合センターの井坂江美子相談員は「美容医療を受ける際には、医師から施術のリスクについて、十分に説明を受けてほしい。また、勧められてもその場では決めず、本当に必要なものか、冷静に判断してほしい」と注意を呼びかけている。女性の綺麗になりたいという願望につけ込んだ許し難い悪質業者の話しである。

だが、こんな裏話を聞かされれば話は別だ。

美容整形の業界でトップを争うA社とB社という二社の対立が発端で、A社の医療スタッフがB社に引き抜かれて、A社を貶めるために週刊誌の記者を使って悪評を流布し、施術に不満を持っている顧客の被害意識を煽り立て、自らも集団訴訟の原告に加担し騒ぎを大きくしているということだ。

また、消費者の相談を受ける消費生活センターの美容医療担当の相談員が、相談者に特定の弁護士を紹介し、100名集めることを目標に掲げ、集団訴訟に参加するよう煽っているということだ。

消費生活センターの相談員が、弁護士へ相談することをアドバイスするのは善いことだ。しかし、特定の弁護士を直接紹介し、特定の企業だけを吊し上げ、更には係争中であるにも拘らず、クレジット会社に軒並み連絡を入れて取引の停止を迫っているというから、職権の乱用と言わざるを得ない。

隔たった対応をすれば、特定業者や特定弁護士との癒着や、斡旋することで何らかの見返りが約束されているのではないかと疑念が生じる。まして数多ある問題企業の中で、一社だけをヤリ玉にあげるような動きは誤解を招くことだろう。施術の不備や欠陥が事実で有れば、施術者は真摯に消費者と向き合い誠意を尽くさねばならないことは言うまでもない。勧誘や契約事項に嘘があれば、詐欺で刑事罰を問われることだろう。

しかし、消費者の中には、被害者を募っていることに乗じてクレームを申し立て、本来支払わなければならない施術代金を全額踏み倒そうとするばかりか、「精神的苦痛」という目に見えぬ心の被害を訴え、多額の賠償金を得ようと企て集団訴訟に参加するモンスタークレーマーも存在するのだ。被害者の全てが本当の被害者とは限らない。相手の不備を逆手に取って、不当な要求を企て利益を得ようとする不届き者をしっかりと見極めなければならないのだ。

また、美容医療のトラブルが増加しているというが、医師が施術のリスクについて、十分に説明を施すのは当然だが、消費者も十分に説明を受ける義務がある。自分の体と生涯を共にするのは自分であるのだから、最後に責任を負うのは自分自身である。だから、美容整形の施術を受けるには安易な判断は禁物であるし、親から授かった顔にまでクレームをつけてはならない。私はバランスの悪い容姿だが、欲を言えばきりがないから天命だと思って上手く付き合っている。

このように、被害相談が寄せられたときは、一方的に相談者の声を聴くのではなく、相談に至った経緯や背景もよく精査しなければない。気を付けないと利益誘導的な企てや権力闘争の策に利用されることや、悪意を持つものに躍らされてしまうことが当紙でさえあるのだ。

だから消費者被害の対策を委ねられている当局、監督官庁ならびに消費生活センターも、特別な調査専門チームの設置をするなどして、一層の公正公平な判断を講じることが悪質なクレーマーの蔓延る現代には急務なのである。

 

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