被災者への心のケア

昨日は家族を失ってアルコール依存になっている男性のことを紹介した。

被災地の子供への心のケアも、大きな問題になっていると聞く。

子供たちは家族や大切な物を失ったり、家を流されたり、人が傷つき嘆き悲しんでいる状態を見て、心に深く傷を負っている。

それを素直に表現できる状態であれば、泣いたり、怒ったり、甘えたり、さまざまに表して吐き出せる。ストレスをためない。

しかし、そうできる場所もなく、吐き出せる親などの大人もおらず、「自分が泣いていてはいけない。しっかりしなければ」と、気丈にしている子供が多いそうだ。

みな、元気に笑ったり遊んだりしているが、大人に余計な心配をかけないようにしようという細かい配慮があるという。

まさかそんな小さな子供たちが気を使うとは、と思うような場面で、子供は大人を気遣っているという。

普段は泣いて止まらないのに、避難所ではピタッと泣き止んで、周囲に全く迷惑をかけない赤ん坊。

いつもはワガママを言って周囲を困らせてばかりだったのに、急に言葉を発しなくなった子供。

外で遊ぶのが大好きだったのに、ずっと避難所の中で閉じこもるようにして動かなくなった子供。

転校を余儀なくされ、友達と離れるのが悲しいはずなのに、文句ひとつ言わない子供。

友達が津波で流されて亡くなったことを知って、何も言わなくなってしまった子供。

しかし子供たちは、どんなつらさや苦しみを抱えていても、表現しない。

子供らの間で、アレルギーや急な発熱、頭痛、湿疹などが増えているそうだ。

「精神的な抑圧の表れ」と、被災地に派遣された臨床心理士が語ったそうだ。

今、子供たちの心の傷をケアするための臨床心理士らが各地に派遣されているが、親が認めたがらない場合はかかわりが難しいそうだ。

親は自分が今の子供たちを守り切れていないと分かると、とてつもないショックを受けるために認めたくないそうだ。

子供の心に残った傷は、大きくなってもずっと残る。心のケアは必須の課題だ。

被災者への心のケア

最近マスメディアでは被災地のニュースが少なくなってきたが、業界紙の記者は定期的に被災地に取材に行っている。

彼らに話を聞いていると、現地では被災者の精神面のサポートが深刻な課題になっているという。

ある記者が取材した、70代の男性の話だ。

彼は津波で、一緒に暮らしていた奥さんを、飼っていた犬を失った。家も流された。子供はいない。

仕事も家族も失ったまま、しばらくは夢見心地のように一体何が起こったのか分からないような時間が続いていたそうだ。しかし仮設住宅暮らしが続く最近になって

「このまま、一体、どうなってしまうんだろうか。仕事もない、妻もいない、このまま一人ずっとこうなのだろうか。補償金や義援金もいつか底をつく。その時、自分はどうなるのだろう。国が守ってくれるんだろうか・・・?」

と、夢から覚めたように思った瞬間、血の気が引くような孤独と不安を覚え、落ち着かなくなって酒屋に走り、浴びるように日本酒を飲んだそうだ。

お酒を買うお金は義援金。仕事もないから酔っていてもかまわない。

あまりの不安と孤独に耐えられなくなり、とにかくアルコールを飲まないと立っていられないほどだったそうだ。

しかも仮設住宅だから、人目にもつかず、昼間から酒を飲める。

彼のような男性が、被災地では確実に増えているという。

仕事がないから、お酒でも飲むしかない。飲んでいないと耐えられないほどの現実。

そういう恐怖に襲われながら過ごしている人たちがいる。


仮設住宅に入ってしまっている彼らだから見つからず、気づいた時には重度のアルコール依存になり、体も心も壊れてしまっている人が多いそうだ。

保健師の見回りなども手が足りなくて追いついていないらしい。

これから秋が深まり、冬が来る。

被災者への心のケアは、国民が少しずつ震災を忘れていく、これからが本番だ。

史上最高の概算要求額という試練

来年度予算の概算要求の詳細が明らかになってきた。

特に今年は東日本大震災があったため、復興関連予算が各章大きく詰まれている。

震災関連は各省庁が多くを要求してきているため、今年度の概算要求は過去最高となると言われている。

今年度の第三次補正予算に入れられなかった分が来年度予算に入っているようだ。

厚生労働省でも医療機関の復興や被災地の医療提供体制の整備などに書き切れないほど多くを盛り込んでいる。

文部科学省でも災害時に総合診療を行える医師の育成事業などに8億円、大学病院が災害発生時に医薬品や医療材料の配分拠点になれるよう2億円など。

必要なのは分かるが、こことぞとばかりに盛り込んでもこれだけの財政難の中、すべてが通るわけではない。その分国民の税金だって増える。

野田新内閣の最初の難関は、各省庁が山盛りにしてきた概算要求にどう対応していくかだろう。

どうやって各省分を削るか、安住氏の手腕が相当試される。

受診時定額負担について意見は真っ二つ〜厚労省会議

業界紙の情報によると、昨日あった診療報酬改定に関する厚労省の会議では、受診時定額負担について意見が割れたという。

医師側は反対したが、お金を支払う保険者側は賛成かもしくは同等の代替案を求めていた。

確かに保険組合などは財政赤字が続いているし、反対する理由はないだろう。

受診時定額負担の性格どうこうより、とにかく財政を潤わせてほしいというところかもしれない。

厚労省は受診時定額負担、もしくはその代替案として出した病院窓口での7000円〜1万円の負担を求めている。

国民側の負担を何等か求めなければいけないのかもしれないが、それにしても、両案とも筋が悪すぎる。

このままだと厚労省がごり押ししてどちらかを通してしまいそうだ。

9月末は概算要求が固まるし、報酬改定のスケジュールも出てきた。

厚労省がそろそろ勢いを出してくるのかもしれないが、受診時定額と窓口の1万円負担、いつの間にか二者択一になっていたなんてことないよう委員には闘ってもらいたい。

病院に行って、1万円追加で払えと言われたら?

昨日書いた受診時定額負担の話だが、医療界からの反発は大きい。

何より健康保険法に将来にわたり7割の給付を維持すると明言されているし、保険免責制を導入するか否かという、日本の医療制度を根幹から帰る大問題を含んでいるからだ。

しかし、厚労省の方はこの受診時定額負担を高額療養費の財源にするというやり方で迫ってきた。

これなら誰も反対しないだろうというやり方だったが、受診時定額負担には結局のところ大反発を食らうことになった。

するとつい先々週当たりの話だが、受診時定額負担ではなく、病院の外来窓口負担を財源にすると言い出したのだ。


今、200床以上の大きな病院を紹介なしに受診すると、一定の負担を納めないといけないことはご存じだろうか?

国は患者が大きな医療機関に集中するのを防ぎ、最初は開業医のところに行ってもらうために、突然病院に来た患者からは負担金を徴収している。

病院によって違うが、大体は2000円から3000円程度。

その金額を高額療養費の財源にしたいと言って、なんと7000円から1万円程度まで上げるというのだ。

なんちゅーメチャクチャな話だ。

患者の中には田舎であれば公立病院しか受診しようのない人だっているだろうに、何かで行くたびに1万円近くもとられていたらたまったもんじゃない。

病院に行かずに死んでしまう人が出る。

これには誰もが反対すると思う。

「それなら受診時定額負担を」と厚労省は言いたいのだろうか。

しかし、医療費がないとはいえなんちゅう荒業を使うのか、恐ろしい。

医療機関の窓口で、毎回100 円上乗せして払えと言われたら?

最近医療界の中で話題になっているのが、「受診時定額負担」だ。

言葉だけ聞いても、何のことやらサッパリだろう。

今、病院の外来で患者が医療を受けた場合、自分たちが窓口で払うのは実際の医療費の、小学校就学前は2割、70歳未満は3割、70歳以上は1割(現役並み所得者3割)となっている。

本当は1000円だったとしても、200円、300、100円だったりするわけだ。


国が進めようとしている社会保障改革案の中に、「受診時定額負担」というものが盛り込まれた。

これは、本来の窓口負担に一律100円程度を上乗せするというもの。

上記の1000円の場合、3割負担の人は300円プラス100円で400円、1割負担の人は200円と倍増することになる。



そんな「窓口でプラス100円お願い」制度を、今国は進めようとしている。

しかも高額療養費制度という、一定の額以上の医療費がかかった場合は国が負担してくれるありがたい制度があるのだが、それの財源にしたいというのだから卑怯にもほどがある。

その制度の財源にと言われれば、反対する人はほとんどいなくなるだろう。


これは元々、以前提案してつぶされた「保険免責制度」の復活であって、私たちの医療保険に保険免責を導入するか否か、という爆弾が仕込まれているのだ。

この国の制度そのものが根幹から変わってしまうものだ。

もし1回でも入れたら、増え続ける医療費を抑えたい厚労省が、100円で済ませるわけがない。そのうち1000円だのと増額しないとも限らない。


医療界は反対しているが、国はどんな策を出すのやら。

東電関連のニュースを読みながら

東京電力が福島原発作業員の食事無償提供を打ち切り / ボーナス出るのに理解不能との声も
http://youpouch.com/2011/09/20/140039/

東電が福島原発作業員らに支給していた食事(とはいっても菓子パンや紙パックのジュース程度)を打ち切ると公表したのは最近だ。

どう考えても恐ろしい話だが、マスメディアはよくぞこれを報じたなあと思う。

東電への怒りが爆発するようなニュースだから。

最近のメディアニュースを見ていると、明らかに電力会社のキャンペーンと思われるものと、可能な範囲で電力会社をたたいているものがある。

全体としては電力会社よりだが、それでも少しずつ脱原発ものも出てきていると思う。

昨日あった、原発反対6万デモなんかは、もしかしたら黙殺されるのではないかと思ったが、わりとまともに報じられていた。
(中心人物となったのが大江健三郎ともなれば、マスコミも干しようもないだろうが)

最近、ニュースが信じられない。

とにかく、その裏にあるのはなんなのか、このニュースを誰が流したいと思い、メリットを得ているのかということばかりに目が向く。

特に震災関連、立法もの、海外ニュースなんかはそうだ。

明らかにアメリカの属国であることを目の当たりにした政権交代以来、ニュースの質も劣化が激しい。

この業界に身を置く自分ですら、何を取捨選択すればいいか分からなくなる時がある。

脱原発主義者の退陣劇を見ながら

鉢呂大臣が辞任したニュースを見ながら、脱原発主義者へのマスコミ攻撃は相当しつこいと思った。

新大臣の枝野氏は原発問題について慎重なので、そうそう突っ込まれはしないだろう。

しかし、鉢呂氏が失言した際のマスコミのたたきぶりを見ていると、電力会社のキャンペーンはそうとう強い。

おそらく他の大臣でも、いくらでもたたきようがあるはずだが、あの集中砲火は凄かった。

見えない権力マスメディアが、こうして世の中を動かしていくんだとまざまざと思わされた。

国会のニュースも「発言に誠意がない」と自民党が野次ったりと、つまらない政局話ばかり。

国民は、本当に馬鹿にされていると感じる。

原因は何であろうと「被災」への補償を

先週大型台風が過ぎ去り、和歌山県の内陸部が甚大な被害を受けた。

避難生活を送っている方も多く、家が壊れたり、家族を失ったりした人もいる。

その様子をテレビで見ていると、東日本大震災で被害を受けた人たちの様子を思い出す。

被災現場は、どこも同様に悲惨で、痛ましく、悲し過ぎる。

東北であろうが和歌山であろうが、被災という現実は変わらない。

彼らは生活を破壊されたということにおいて、同じ苦しみと悲しみを味わわされている。自然という責めようもないものを相手に。


違和感を感じるのは、和歌山の話と東日本大震災の話が別で扱われることだ。

同じ被害を受けていながら、一方では復興支援や義援金が集まり、一方には集まらない。

被害の規模や数の多さというのはあるだろう。

しかし、同じように家族や生活の土台を失った人たちに、違う補償がされているのはおかしい。扱いが違うのはおかしい。

これはひとえに日本では災害時に被災者を救うための法整備がないことに尽きる。

このため、毎回個別に災害に対応するしかなく、結果に差が出る。

言ってしまえば、東日本大震災で大した被害を受けていなくても義援金を受けられる人もいれば、和歌山で家も家族も失いながら、補償を受けられない人も出てくる。

日本は災害大国だ。

地震、津波、火山、土砂災害、水害、何が起こってもおかしくない国なのだから、どんな災害が起こったとしても、補償される仕組みは国が作らなければいけない。

自然という防ぎようのないものが相手なのだから、その仕組みは国が作らなかったら、誰が作る。

人災は、損害を与えた相手が補償すべきだが、自然はどうしようもない。

宮崎であった口蹄疫、鳥インフルエンザ、火山灰問題もほとんど忘れられている。

東日本大震災、和歌山の被害も忘れられていくのか。

被災者を泣き寝入りさせて終わらせるのか、日本は。

国民を守る仕組みを、本気で作ってほしい。

それが果たしてできるのか、野田新内閣は。

厚労大臣に小宮山氏

しばらく投稿が滞っていてご覧いただいている皆様には申し訳ありませんでした。

実は(多分)夏風邪をひき、40度近い熱が出てしまっていた。

身体が熱くて重くてだるくて、久しぶりに数日間も寝込んでいたわけだが、どうやら周囲でも風邪が流行っているらしい。

最近は気圧もおかしく、ただでさえこの時期に出る夏の疲れが倍増しやすいらしく、体調不良者が多いみたいだ。

今はまた巨大で進行の遅い台風が近づいている。みなさんにもお気をつけ頂きたい。自分もまだまだ頭がぼーっとしている。


さて、寝込んでいる間、世間はすっかり野田首相の話で持ちきりだった。

野田新内閣、厚労相に小宮山氏を起用 (2011年09月02日 12:55 キャリアブレイン )
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/35420.html
 野田佳彦新内閣で官房長官に就任が決まっている藤村修氏は9月2日午前、皇居での認証式に先立ち、首相官邸で閣僚名簿を発表した。厚生労働相には小宮山洋子氏、社会保障・税一体改革担当相には古川元久氏を充てた。

医療関係者ならだれもが気になる厚労大臣。

ほう、小宮山氏か。

彼女が成城大卒、元NHKアナウンサーであることは知っている人は多いと思うが

元東大総長の娘であることは意外と知られていないんじゃなかろうか。

大学闘争時代の総長の娘ということで永田町でも知ってる人は知ってるし、その後光たるや彼女の進む足元を明るく照らしている。

天下の東大総長の娘に逆らうようなことは、誰もできんわな。

一議員でいる間は特に目立ちもしなかったが、大臣ともなるとそうはいかない。

しかし、体制派として守られてきた彼女に、今の腐り切った厚労省をグリップできるような力があるとは思えない。

細川前大臣のような、官僚との仲良し融和策を取るのだろう。

野田大臣はさておき、周囲の人事にも激しくがっかりさせられたが(なんでこんな年寄りを起用するんだとか)、頼みの綱は、政務官だ。

実力ある政務官がつけば少しはマシだと思う。しかし、もう弾がない気がする・・・。


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